筋膜と東洋医学の共通点から見る!患部を触らずに痛みをとる手技

こんにちは!GAP東京の松井です。

4月26日に行われた「患部を触らず痛みをとる手技〜筋膜・東洋医学の視点から〜」で当日どんなことを学んだかご紹介します!

講師紹介

西本 聖是郎
・柔道整復師

学生時代の自分自身の怪我をきっかけに、人の痛みや怪我を良くする職業につきたいと思い、大学卒業後は柔道整復師の資格を取るため専門学校へ。

現在は埼玉県所沢市の「愛泉道院」で患者さんの痛みを取るだけでなく、怪我をせず動けるカラダづくりも伝えている。父はゴールデングラブ賞を8回も受賞したプロ野球選手であり、その後4球団でコーチと務めている。

1.痛みの原因を考える。

皆さんは肩が痛いという方をどのように評価しますか?
患部である肩をよく見ることも大切ですが、実は肩の痛みの原因は肩自体にあるのではなく、胸郭や骨盤にある事があります。

例えば、猫背の方がいるとします。

その場合、上半身では胸郭が閉じ、頸が前に出た姿勢になるため、大胸筋・小胸筋・後頭下筋群・僧帽筋上部が短縮固定され、菱形筋・僧帽筋中部下部・頸椎屈筋群が伸長固定されていることがあります。

このように、短縮固定と伸長固定が交差している状態を上位交差性症候群と言います。

 

また、短縮固定と伸長固定が交差している状態は骨盤周囲でも起きます。

骨盤周囲では、脊柱起立筋群・多裂筋・腸腰筋・大腿筋膜張筋・大腿直筋・縫工筋が短縮固定され、腹筋群・大臀筋・中臀筋が伸長固定されていることがあります。

この状態を下位交差性症候群と言います。

 

 

※短縮固定と伸長固定とは?

短縮固定:筋肉が収縮したまま固定されている状態のことです。
伸長固定:筋肉が引き伸ばされたまま固定されている状態のことです。

短縮固定と伸長固定では、伸長固定されている方が痛みを感じやすくなります。

そのため、上位交差性症候群では、菱形筋・僧帽筋中部下部が伸長固定されているので、肩から背中にかけて痛みを感じやすくなり、結果、肩こりや肩の痛みに繫っていくことがあります。

このような場合は、短縮固定している部分を緩め、伸長固定している部分にエクササイズを行い改善させていきます。エクササイズを行い、普段上手く使えていないところをリセットし、うまく使えるようにします。

当日は、下位交差性症候群改善のため、伸長固定されている腹筋群・大臀筋・中臀筋のエクササイズを行いました。
私の場合、エクササイズ前は骨盤を上手く動かすことができず、前後屈した際に腰部に詰まり感がありました。しかしエクササイズ後は、骨盤の動きを意識しながら前後屈ができるようになり、その結果、前後屈した際の腰の詰まり感がなくなり、可動域が広がりました!

このように、患部に直接介入するのでは無く、全体をみて主訴の本当の原因を見つけアプローチしていくことが大切になります。

実際に体験し、自分自身の変化を感じながら学ぶことで、改めて全体を見るみる重要性を感じました。学生のうちから患部だけではなく全体を見てみて、本当の原因を見つけることができるよう、見極める練習をしていこうと思いました!

2.東洋医学とアナトミートレインから考える。

今回の勉強会では、アナトミートレインと経絡・経穴を元に治療も学びました。

アナトミートレインとは、筋肉同士を繋ぐ筋膜の繋がりを、分かりやすく経路のように見立てて考える西洋医学の理論です。

また、経絡とは気血の通路の総称で、経穴とは、経絡上に点在する点で気の出入りする場所です。この二つは東洋医学の考え方になります。

このように、西洋医学であるアナトミートレインと東洋医学である経絡・経穴には共通点があります。

今回はこの考え方を利用し、アプローチする方法を実技を交えながら学びました。

例えば、経穴の『足三里』に刺激を与えると、アナトミートレインで言えばSFLに、経絡で言えば腹部の経絡に効果が出ます。

実際に経穴一点にアプローチするだけで、消化器が反応してお腹がなったり、肩関節の詰まりがなくなり可動域が広がったりして、すぐに効果が出てとても驚きました!

また、ただ力を込めて押すのでは無く、圧のかけ方や姿勢にもコツがあります。

①背筋を伸ばし姿勢を正す。
②肘は伸展させ、姿勢を正したまましっかりとポイントを捉える。
③ポイントに圧をかける。(腕の力だけで押さない)

このポイントを意識して行うことで、正しい刺激を経穴に与えることができます。

少し細かい部分になってきますが、圧のかけ方で効果や感じ方が変わってくるのでぜひ参考にしてみて下さい!

3.まとめ

私は普段、柔道整復師のカリキュラムで、主に西洋医学を学んでおり、東洋医学に触れることがないため、驚きと学びが沢山ありました。今回の勉強会で学んだように、一つの考え方にとらわれるのでは無く、視野を広げて、患者さんのためにより良いよい選択をすることがとても大切だと感じました。

より良いよい選択を出来るようにするために、学生のうちから学ぶ環境に自ら参加し、選択肢を沢山増やしていきたいと思います。

勉強会の内容が動画で学べる!

動画はまだまだ続きます。
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