明日から実践できる!足関節捻挫のアスレティックリハビリテーション
はじめまして!GAP東京の飯岡です。
9月に開催された、足関節捻挫のアスレティックリハビリテーション実技編で当日どんなことを学んだのかをご紹介します!!
講師は千葉 拓也さんです。
千葉さんは2008~2014年までラクロス日本代表の各年代でトレーナーを担当し世界大会にも帯同。
また、柔道整復師として数々の外傷を経験し、現場で起こる応急処置からリハビリ、テーピングの技術を伝える活動を行い、現在も治療の第一線で活躍されています。
足関節捻挫をひも解く
今回は実技編ということで、触診、スペシャルテスト、テーピング、段階的なリハビリの仕方について教えて頂きました。
捻挫の種類
足関節捻挫と言っても、たくさん種類があるのを知っていますか?
内反捻挫、外反捻挫、リスフラン関節・二分靭帯捻挫、距骨下関節捻挫、前脛腓靭帯損傷の捻挫。それに加えて腓骨の骨折、下駄骨折、Jones骨折などの骨折。
これらは複合的に発生する可能性があるので、これらの知識を頭に入れておくと正確に患部を見ていく事ができます。
触診のポイント
ではそれぞれの捻挫はどこに痛みが出るのでしょうか。当日学んだポイントと、資料をまとめました。内反捻挫と外反捻挫で痛みの出やすい部位です。
これらの部位を触診をしていく際の方法と注意点を教えて頂きました。
- 触診をする際は母指の先ではなく、腹で触ること。
- 触るときの強さは皮膚が少し凹む程度。
- 外反捻挫は三角靭帯の範囲は広いのでピンポイントで触らず、広く触るようにする。
続いて距骨下関節捻挫と二分靭帯捻挫、下駄骨折とJones骨折で痛みの出やすい場所です。
これらについても触診の方法と注意点を教えて頂きました。
- 距骨下関節の高さは外側と内側で異なる。外側の方が高く内側の方が低い。
- 距骨下関節捻挫の痛みは前に踏み込んだときに疼痛はあるが、はっきりした部位がないのが特徴。
- 二分靭帯は前距腓靭帯よりも遠位に痛みを生じる。
- 骨折の併発がないか第5中足骨の圧痛を確かめる。
注意点をしっかり意識し、頭に入れながら触診ができるようになるといいですね!
スペシャルテストを実施
スペシャルテストは評価をするために重要ですが、やり方やテストによっては相手に苦痛を与えかねません。
テストを行うときは何を評価するために行なっているのか目的を明確にし、一つのテストをなるべく少ない回数で行えるようにしましょう。
例えば前方引き出しテストを行うとき、みなさんはどんなことを意識して行っていますか?
前方引き出しテストは痛みを評価するのではなく動揺性を評価するテストです。右足を評価するときは右手でしっかりと足関節の上部をロックし、左手踵骨しっかりと握り引き出します。
そのとき相手の足の力を抜いた状態で行わないと、正確にテストを行うことができないので、相手の足をこちらの前腕の上に乗せて行います。
アスレティックリハビリテーション
アスレティックリハビリテーションは略してアスリハと呼ばれることも多いです。
アスリハはただ行うのではなく、患部を意識して行うことが重要になってきます。そして我々トレーナーはその動作があっているのかをしっかり見ていかなければなりません。
具体的なアスリハについて紹介していきます。
立位でのアスレティックリハビリテーション
立位で行うアスリハではバランストレーニングなどのメニューがあります。
バランストレーニングでは指先だけで地面に接地していないか。かかと重心になっていないか。など一見バランスを保って立てているからクリアにしがちですが、そういったところを注意深く見ていきます。
どこかに偏った立ち方でアスリハを行っていくと、患部ではないところに痛みが出てきてしまったりします。
また指先だけの接地だと足関節が不安定な状態なので捻挫をしやすい肢位となり、アスリハがうまく行えず経過が悪くなってしまいます。
ステップワーク
アスレティックリハビリテーション
患部の状態が良くなってきてからはステップワークトレーニングを行います。コーンを8つ置きコーンからコーンをクランクで走りそのときターンは全て患側で行います。
このとき注意しなくてはならないことが2つあります。
1、方向転換の際につま先と足関節の向きがしっかりと進む方向を向いているか。
2、方向転換する際に重心を落とせているか。
この2つのポイントが重要になってきます。
ステップワークトレーニングも問題なく行えたら最後はスプリントトレーニングを行い、全力で走れるようになり痛みもなければ復帰をしても大丈夫です。
逆に他のトレーニングがこなせてもスプリントトレーニングで疼痛や違和感があるようならまだアスリハは必要になってきます。最終チェックとしてアスリハの最後に入れるようにします。
順調にアスリハを進め、なるべく早い期間で復帰させられるよう正しい知識を身につけていきましょう!
足関節アスレティックリハビリテーションのまとめ
今回はより実践的な現場で役に立つことをたくさん教えて頂きました。
『教わったことを知っている』で終わらすのではなく自分の中で解釈をし、たくさん練習し、正しく行えるようになってたくさんの人に還元していきます。